第2回日本脳神経外科M&M学会 会長
井川 房夫
島根県立中央病院 医療局次長
島根大学 客員教授・広島大学 客員教授
この度、第2回日本脳神経外科M&M(Morbidity and Mortality)学会会長を拝命しました、島根県立中央病院 脳神経外科の井川 房夫でございます。第2回日本脳神経外科M&M学会は、2026年10月9日金曜、10日土曜に松江市の松江テルサで開催させていただきます。
副会長には黒﨑 雅道教授(鳥取大学 脳神経外科)、林 健太郎教授(島根大学 脳神経外科)、堀江 信貴教授(広島大学大学院医系科学研究科 脳神経外科学)、にお願いしており、テーマは「伝承すべき合併症から学ぶ、脳神経外科医の使命」としております。
私は、30歳代で部長として手術を行う必要があり、経験の少なさ、技術の未熟さから合併症も経験し、二度と同じ思いをしたくないと考えるようになりました。そこから、困難な症例、珍しい症例は、手術前に経験のある医師に相談し、手術指導をお願いすることもあり、他施設の手術見学や学会に参加し、他人の経験を自分の経験として共有するようになりました。合併症をきたし、後遺症を残した患者さんは完全に元には戻らないこともありますが、せめて他の先生に同じ合併症を起こしてほしくないという思いが強く、「脳神経外科の失敗学」として学会発表や原稿を発表してきました。
同じような考えを持つ仲間といっしょに、以前から脳神経外科M&Mカンファレンスを行った来ましたが、クローズドの会であり、参加者には伝わるが、広く世の中に伝えるには限界がありました。2025年共同代表世話人として富山大学 脳神経外科 黒田 敏先生といっしょに日本脳神経外科M&M学会を立ち上げることができました。
M&Mを学会としてオープンに行うには様々な問題点もあり、学会を継続しながら、それらの問題点をクリアしつつ、日本の脳神経外科手術の合併症が1%でも0.1%でも少なくなることを願ってやみません。
全ての脳神経外科医にとって有意義な会となりますよう鋭意準備してまいりますので、皆様におかれましてはご指導ご鞭撻とご参加をいただきますよう宜しくお願い申し上げます。
2025年7月吉日